マーキングって首に噛みついてきたり、松岡くんって結構、独占欲強いよね……。
なんて考えている場合じゃない。

「じゃあ、僕のプレゼントは無駄でしたねー」

立川さんは笑っているけど……可愛いですから!
なんかこっちが、悪いことをしている気になってきます!

「でも、いただいたのは嬉しかった、ので」

男性からあんなふうに女性扱いされてプレゼントされたことなんて、数えるほどしかない。
だから、迷惑だったかといえば嘘になる。

――たとえそれが、喧嘩の原因になっても。

「そういってもらえると嬉しいです」

べっ甲調ボストン眼鏡の影から笑い皺がのぞく。
そういうのが本当に可愛くて、困る。

「あの。
食べる前にもうひとつ、いいですか」

「……なにか?」