何点か確認した後、立川さんが眼鏡の奥でにっこりと笑い、嬉しくなる。

「はい、この短期間でずいぶんよくなりましたよね。
なにか、あったんですか」

「えっ、あっ、……はははっ」

思わず、笑って誤魔化してお茶を啜った。
この年末年始のごたごたのおかげ、なんて言えるはずがない。

「これがどんな作品になるのか、いまから楽しみです」

お茶を飲む立川さんの手にはまた、ひっかき傷ができていた。

「料理、運んでもらいましょうね。
お腹、空いたでしょ」

「そうですね」

立川さんが内線で頼んでまもまく、鍋と具材が運ばれてくる。

「そのペンダント、彼氏からのプレゼントですか」

「え、ええ。
……まあ」

私の胸元には約束通り、ハートのペンダントが揺れている。