セバスチャンのあたまを撫でて、家を出る。
が、駅に向かう前に郵便受けを確認した。

「……嘘」

郵便受けの中には、昨日なかった例の茶封筒が入っていた。

――しかも、三通。

配達が休みの日曜と昨日の分と併せて、ということなんだろうか。

「ご丁寧に三日分もいらないって……」

はぁーっ、地面にまで落ちそうなほど、重いため息を吐いてバッグの中のファイルへしまう。

消印の場所がばらばらと松岡くんが言っていたのを思い出し、ちらっとだけ確認した。
いつものようにどれらも差し出された地域が別だったし、日付も違う。
どうも嫌がらせをしている暇人はちゃんと毎日投函したようだが、配達の都合で今日まとめて届いたようだ。

……律儀に毎日、投函しなくていいんだけど。

一気に足が重くなり、とぼとぼと歩いて駅へと向かう。