「こんなの、恥ずかしすぎる……」

タンスの中身を引っかき回しながら、黒のハイネックニットを発見した。
あとはチェックのマキシ丈スカートも見つけたので、これに黒のブーツを合わせれば、それなりに。
それに黒のニットにシルバーのペンダントははえるからいいだろう。

「見えない、よね」

「にゃー」

大丈夫、とでもいうのかセバスチャンが鳴く。
鏡で確認したが、とりあえず見えなさそうでほっとした。


化粧を済ませて、セバスチャンに夜の分のごはんを入れる。

「今日は遅くなるから、いい子でお留守番しててねー」

「にゃー」

わかっているんだかわかってないんだか、すでにセバスチャンは餌にがっついていた。

「いまから食べたら夜、なくなっちゃうよ」