「う、うん」

まともに松岡くんの顔を見られなくて、手の中のグラスを弄ぶ。

「それで。
郵便、届いておりました」

一瞬で、現実に戻った。
見たくない、けれどそういうわけにもいなかいし。

「……ありがと」

嫌々、だけど郵便を受け取った。
あれが入っていると思うと、気が重くて仕方ない。

「……あれ?」

何度確認したってもう覚えてしまったあの、茶封筒がない。
不審な郵便も。

「今日は……ない?」

「私も確認いたしましたが、入っておりませんでした」

松岡くんが確認してもないということは、ないでいいんだよね?

「飽きてやめちゃったとか?」