「ここにもキスして」

手はそのまま下りていき、胸に触れた。

「ここにも」

さらに手は下り、みぞおちの少し下を、トンと軽く指先が叩いた。

「そしてここに直接、俺の気持ちを刻みたい」

すいっ、松岡くんが唇に笑みだけをのせる。
その妖艶な笑顔に。

――プシューッ。

なにかがあたまのてっぺんから、勢いよく吹き出した。


淹れてきてくれたアイスティが机の上に置かれる。

「こちらの方がよろしいかと思いまして」

確かにそうなんだけど、わざわざ言う松岡くんはやっぱり意地悪というよりもドSだ。

「落ち着きましたか」