松岡くんから仮彼氏契約を解消しようって言われたときは、この世の終わりかってくらい絶望した。

松岡くんから好きって言われると、嬉しい。

これが……恋、なのだろうか。

さんざんTLノベルを書いてきたくせに、恋に疑心暗鬼な自分がいる。

「恋愛、恋愛ね……」

椅子の背を倒せるぎりぎりまで倒し、考える。

友愛とか、家族間の愛だってあるけど、恋愛っていったいなんなんだろう?

思い出すのは祖父の傍でいつも、幸せそうだった祖母の顔。

「恋愛ってなんなんだろう……」

「この世でただひとりの相手を大事に想うことだと思いますが?」

「うわっ」

いきりなり、視界に松岡くんが現れて、バランスを崩す。