「はい。
……なんて嘘ですよ。
昨晩の、私の夕食の残りでございます」

「あ、そう……」

なんとなく安心したようながっかりしたような、変な気分。

「……でも、ツナサンドは紅夏だけだから。
紅夏だけ特別」

途端にぼっ!と、もう癖になってしまったかのように顔が火を噴く。

「う、うん。
……ありがと」

おかげで手作りツナのツナサンドとかいう、貴重なものの味がわからなくなってしまった……。


松岡くんが家の掃除をしてくれている間、いつものように私も仕事部屋で仕事をする。
明日は立川さんに会うから、例のプロットを詰めておかないといけない。

「主人公の気持ちー」