「はいはい、ちょっと待ってねー」

椅子から立ち上がり、台所に向かう私にセバスチャンがついてくる。

「はい、どうぞー」

おやつをぺろぺろ舐め取っているセバスチャンに癒やされた。



月曜日はもちろん、松岡くんがやってくる。



「本日もよろしくお願いします」

「……ん」

今日、彼が私に口付けを落としたのは、額ではなく頬だった。
唇に近づいた分だけ、さらにどきどきする。

「すぐにお茶の準備、いたしますね」

「……お願い」

台所へ消えていく松岡くんが小さく、くすりと笑う。
わかっているくせに笑うなんて意地悪だ。