心配そうに眉をひそめて聞いてくる松岡くんへ、封筒を渡す。

「……お正月から毎日届くの」

「開けてもよろしいですか」

私がうなずくと、机の上のペン立てからはさみを抜いて彼は封を切った。
中から出てきたのはいつも通り、A4用紙一枚。

「……酷くなってねーか、これ」

「え?」

渡された紙を受け取る。

10.5ptMS明朝は変わっていなかったが、内容と色が変わっていた。

今日、一面に打ち出されていたのは赤で〝殺す〟という文字。

「なに、これ……」

手の中からはらはらと紙が落ちていく。
恐怖で震える身体を両手で抱きしめたって、震えは止まらない。

「紅夏」