家政夫執事と恋愛レッスン!?~初恋は脅迫状とともに~

「紅夏が俺のために選んでくれたなんて嬉しい」

じっと、松岡くんが私の目をレンズ越しに見つめる。
その瞳は熱を帯びていた。

「紅夏。
……好きだ」

熱い吐息が私の耳をくすぐる。
はむっと私の耳たぶを軽く食んで、彼は顔を離した。

「ほんとはキス、したいんだけど」

大きな手が私の口を覆い、松岡くんの顔が近づいてくる。
間抜けにもそれをじっと見ていた。
触れた唇は彼の手の上だというのに、なぜか本当に唇を重ねているかのようにどきどきする。

「……契約違反だからこれで我慢する」

そろそろと松岡くんの顔を見上げた。
これ以上ないほどうっとりと彼は笑っていて、心臓がきゅーっと切なく締まる。

「松岡くん?」

「紅夏の胃袋は掴んだし、紅夏も俺なしじゃもう生活できないだろうし?」