ぼそっと呟いた松岡くんを不審に思って見上げると、弦のかかる耳が真っ赤になっていた。
今日の執事モードオフの松岡くんは可愛すぎる。

「わかった。
でも今日は予定ないから、もうちょっといる」

私のあたまをぽんぽんして、今度こそお皿を持って立ち上がる。

「……年下のくせに子供扱い」

「紅夏の方が精神年齢下だろ」

しれっとそんなことを言って、松岡くんは右の口端を僅かに持ち上げた。

松岡くんが片付けをしている間、セバスチャンと遊んでいた。

「紅夏はほんと、家事ができねーよな」

執事モードオフでも紅茶は淹れてくれる。
もっともうちには、コーヒー豆もインスタントコーヒーも買い置きがないが。

「うっ」

その通りだからなにも言えない。