小学生の作文以下や、妄想がすぎる自己満足小説とか、酷いものになるとこんなもの書いている奴は欲求不満なんだろうから俺が犯してやろうか、なんていうのはよくある。
けれど、〝死ね〟なんて存在否定されたのは初めてだ。

「……大丈夫か」

心配そうに松岡くんの眉が寄る。

「怖いよ……」

怖くて怖くて身体が震える。
不意に視界が暗くなったかと思ったら、……松岡くんの腕の中にいた。

「俺が、守るから」

「……ありがと」

温かい腕の中は、お日様みたいな匂いがする。
おかげで不安が和らいだ。

「俺さ。
前に紅夏の書いてる小説をエロ小説って莫迦にしただろ?
あれ、すっげー後悔してる」

私を抱きしめたまま、松岡くんがぼそぼそと話し続ける。