「セバスチャンもあけましておめでとう。
あとでスペシャルなおやつをやるからな」

「にゃー!」

意味がわかったのかセバスチャンが嬉しそうに鳴いた。


台所で松岡くんが洗い物をはじめ、私も年賀状をチェックする。

「これ、なんだろう……?」

ほとんどが付き合いのある編集か作家からだったが一通、わざわざ封筒で届いたものがあった。
差出人を確認するが、どこにもない。

「え……」

中に入っていた紙を見た途端、音を立てて血の気が引いていく。

「なに、これ……」

それにはA4用紙いっぱいに連続して、〝死ね〟と10.5ptのMS明朝で打ち出してあった。

「紅夏、雑煮の餅は一個でいいか?
……紅夏?」