鏡で自分の顔を見ながら、苦笑いしかできない。

タンスから服を引っ張り出し、あれでもない、これでもないと吟味する。

いっそ、祖母から譲ってもらった着物でも着ようかと考えたが、着付けができないから諦めた。

結局、タンスの中から出てきたファーをあしらったピンクのニットに、白のスカートをあわせてみた。

しかしこう、食器といい、服といい、いつ買ったか思い出せないものがたびたび出てくるのはやはり、問題だと思う……。


「あけましておめでとうございます」

「はーい」

そわそわしながら待っているうちに、松岡くんがやってきた。

「あ、あけまして、おめでとう」

今日は仕事じゃないからか、さすがに執事服ではなかった。
が、白のタートルネックニットに黒のダウンジャケットを羽織り、髪も下ろして黒縁の眼鏡の松岡くんはこう、まさしく執事の休日っぽくてどきどきする。