私の胸元にはハートのモチーフが揺れている。

「さあな」

右頬だけ歪めてにやりと、松岡くんは笑った。


「それでは本日はこれで失礼いたします。
次回は一月七日、金曜日に参ります」

「はい、ご苦労様でした」

今日はセバスチャンを抱いてお見送り。
十一日も先なんて待ち長い、なんて思っていたけれど。

「……一日、おせちの差し入れに来る。
ついでに初詣に行こう」

「……うん」

ちゅっと額に口付けしそんなことを言われたらもう、天にも昇りそうなくらい嬉しかった。



ぼーっと紅白歌合戦をテレビで流しながら、積ん読の消化にいそしむ。