家政夫執事と恋愛レッスン!?~初恋は脅迫状とともに~

「アイロンかけるの、上手だね。
私がかけたら皺を伸ばしているのか作っているのかわかんないのに」

松岡くんの手にかかればアイロンは滑るように動き、皺は瞬く間に伸びていく。
私もあれくらい上手にかけられたらきっと、気持ちいいんだろうなー。

「時計の電池も替えてくれるの?
うわっ、さすがだね!
そこ、私でも手が届かないのに」

茶の間にかかっている時計を少しの背伸びだけで外し、松岡くんは電池を替えてくれた。
どおりで、あとで替えなきゃとか、あとで補充しなきゃとか思っていたことが、いつの間にか解消されているはずだ。

「ねえねえ……」

「……紅夏」

夢中になって私が話していたら、松岡くんがはぁっと短くため気を落とした。

「暇なんですか」