家政夫執事と恋愛レッスン!?~初恋は脅迫状とともに~

「あれ?」

松岡くんが手にしているおやつが、いつもとパッケージの色が違うのに気づいた。
通常はオレンジとか水色のパッケージに白で字が入っているのだけれど、それは文字が金色だ。

「ああ、今日は高級な方をご用意しました。
クリスマスですからね、特別です」

――例によって松岡くんは猫に甘い。


今日は追われている仕事もないし、ぼーっと松岡くんが仕事をしているのを見ていた。

そういえば、いままでずっと仕事のフリをして閉じ籠もったりしていたから、こうやって松岡くんの仕事ぶりを見るのは初めてだ。

「お風呂の掃除をするときも執事服のままなんだね」

さすがに上着は脱いだが、あとは裾まくり袖まくりで浴槽を磨いていく。
彼が来てくれるようになってからは、水垢なんてついたことがない。