「何時……?」

気づけば辺りは暗闇に沈みはじめていた。

電気をつけかけて、デジタルメモの蓋を閉じる。

前回、このまま仕事を続けて時間を忘れ、松岡くんには迷惑をかけた。
時間は惜しいが、ここで一旦やめて松岡くんが帰ってから再開するのが妥当だろう。

「お茶をお淹れいたしますね」

「ありがとう」

茶の間に行った私を見つけ、松岡くんが声をかけてくれた。
いつものこの時間ならそろそろいい匂いがしているはずなのに、今日はしない。

「ねえ、今日の晩ごはんって……」

「まだ秘密です」

隠すように台所から追いやられる。
仕方なくちゃぶ台の前に私が腰を下ろすと、松岡くんはお茶を淹れてくれた。

「もう少しだけお待ちください」