迷う心は次第に、申し込まなくていい理由を探しはじめる。

「ゴミはいままでだって、起きられた日は出してたし……。
異臭がするほどでもないし……」

だんだん、まだ大丈夫じゃないかという気になってきた。
うん、ハウスキーパーなんて頼まなくてもいままでやってこられたんだし。
閉じ込められないようにだけ、気をつければいいはず。

勝手に納得して、画面を閉じようとタブの×に矢印を動かそうとした瞬間。

――カサッ。

「ひっ」

――カチッ。

「え?」

背後でなにかが動いた音で、手に力が入ってマウスをクリックしていた。
画面には【お申し込み、ありがとうございました】の文字。

……え?
もしかして、申し込んでしまいましたか?