「すぐに温めますので!」

今度こそ松岡くんが立ち上がり、私も一緒に立ち上がった。

「いいよ。
もう、時間だよね?
お疲れ様」

疲れている彼に残業なんてさせられない。
それに、自分が悪くてこんな時間になったんだし。

「いえ、すぐに温めて準備しますので」

「だからいいって」

押し問答になりそうな雰囲気になり、松岡くんがはぁーっとため息をついた。

「……俺が紅夏のためにやりたいの。
黙ってやらせろ」

「……はい」

耳もとで囁かれたら、もう反対はできない……。


今日の晩ごはんはロールキャベツだった。