まだ夢を見ているようだ。

「それで」

目の前に座った王子様――立川さんが話を変えるように姿勢を正す。
おかげで現実に戻った。

「プロット、読ませていただきました。
まだまだ荒削りですが、これは確かにいい作品になる予感がします」

「本当ですか!?」

知り合い以外の人間からもらった好評価に背筋が伸びる。

「はい、僕と一緒にいい作品に仕上げていきましょう」

「ありがとうございます!」

勢いよくあたまを下げたら、ゴン!とテーブルに額が激突した。

「だ、大丈夫ですか!?」

立川さんは驚いた上に慌てている。

「もー、大藤先生、気をつけなきゃダメだってこの間も言ったばかりじゃないですかー」