「そうですね……」

怖い、がなにか予防できるわけでもない。

「こっちとしてもなにかできたらいいんですが、気をつけてくださいとしか言いようがなくて」

「ありがとうございます、できるだけ気をつけます」

「すみません。
でもなにかあったらすぐに相談してください!」

力強く頷いてくれた桃谷さんが頼もしかった。



暗い話は聞いたけれど、桃谷さんから想像していなかった高評価をもらえ、うきうきで玄関へと進んでいく。

「危ない!」

いきなり、後ろから抱き留められた。
後ろを振り返る間もなく、目の前を重そうな荷物を積んだ台車が進んでいく。

「怪我、してないですか」

おそるおそる、後ろを振り返る。