「……うん」

封を切ろうとおやつのパッケージを握った手は指先まで赤い。
セバスチャンから盛んに足をタッチされて早く開けなきゃ、とは思うものの何度やってもうまくいかなかった。

「なにをやっているのですか」

小さく松岡くんの口からはぁっとあきれたようにため息が落ちる。

「ほら」

後ろから包み込むように立ち、両手に彼の手が添えられた。
私の手を上から押さえて封を切り、手を離す。

「……さっきから紅夏、めちゃくちゃ可愛くて我慢できなくなるんだけど」

ちゅっと、露わになっている耳の後ろに口付けを落として松岡くんが離れた。
途端にがくんと膝から力が抜ける。

「おっと!」

倒れそうになった私を、慌てて松岡くんが支えてくれた。

「あ、ありが……と」