大丈夫だよとでもいうかのようにセバスチャンが鳴いて、ちょっとだけ安心した。


「こんにちはー」

落ち着かなくてそわそわと待っているうちに、松岡くんがいつものようにやってくる。

「本日もよろしくお願いします」

「よろしくお願い……します」

僅かに熱を帯びる顔で、ちらっと松岡くんをうかがう。
けれど彼はいつも通りでがっかりした。

「すぐにお茶の準備をいたしますね」

「……はい」

なんだか泣きたくなってきて俯いた。
せっかくいろいろ頑張ったのに、気づいてもらえないなんて。

――くすり。

耳に、小さな笑い声が届いて顔を上げる。
すぐに松岡くんの顔が近づいてきた。