「ハウスキーパー、ね……」

自分で片付けられないのなら、誰かに頼むしかないのはわかっている。
わかってはいるが、週に一度数時間とはいえ、他人と一緒に過ごさなければいけないのはけっこう苦痛。

「でも、自分で片付ければいいし……」

「それができたら三度も閉じ込められる、なんてことはなかったと思いますけど?」

「うっ」

意地悪く桃谷さんから笑われると、返す言葉がない。

「それにそもそも、そんな時間がないんじゃないですか。
うちだけでも年内締め切りで三本、お願いしていますよね?
それ以外にも他の出版社さんからも依頼を受けていると思いますし。
そうなると時間がないのは当然です」

「そう、なんだけど……」

このままだと、あの家を取り上げられかねないのはわかっている。
わかっている、が……。