「もうセバスチャンはなんで、こんなに可愛いのかなー」

「失礼いたします」

「は、はぃっ!」

うっ、声が裏返った。
だって、セバスチャンににやけていたところへ急に、声をかけられたから。

――くすり。

小さく笑い声が耳に届き、一気に顔が熱を持つ。

「こちらに置いてある本も仕事部屋の書棚に収めてもよろしいでしょうか」

「そ、それでお願い……します」

まるで笑ってなどないかのような顔を松岡くんはしていたが……確実にさっき、笑っていた。

このドS執事め!

セバスチャンは飽きたのか、部屋を出ていってしまった。
まだ掃除は終わりそうにないので、携帯を掴む。

……えっと。