大きな川は太陽の光を浴びて
キラキラと光っていました。

対岸ははるか向こうに見えます。
かなり大きな川です。

川岸には小石を敷き詰めた
河原が広がっていました。

「ここを渡れば時間に間に合う。
早く行こう」

うさぎさんはそう言うけど
女の子は不思議に思って

首をひねります。

だって
見渡す限り川には橋が架かっていないんですから。

橋がないのにどうやってこんな
大きな川を渡るんでしょうか?

でもうさぎさんには
何か考えがあるみたいです。

車から降りたうさぎさんは
てくてくと河原まで下りていきます。

後ろをついていく女の子。


河原まで下りると
より一層川が大きく見えます。

橋がないとぜったい向こうまでいけない。
改めてそう思う女の子。

でもうさぎさんは平然としています。

そして
うさぎさんはすっと息を吸い込んで
大きな声で叫びました。

「出てこーーーい!」