女の子とうさぎさんの乗る車の前には

大きなくまさんと
怖い虎さんがいました。

2匹とも怖い顔で
こちらを見ています。

見上げるように大きなくまさん。
女の子を一口で食べられそうな
彪さんの大きな口。

口の中にはギラリと光る
大きな牙が見えます。

「こわい...」

そうつぶやいた女の子の
顔色がみるみる蒼くなっていきます。

「ガルルルル!ここは通さないぞ!」

虎さんが大きな声で叫びます。

「グルルルル!女の子をここに置いていけ!
ちょうどお腹がすいてるんだよ!」

くまさんがよだれを垂らしながら
女の子を見つめます。

震えあがる女の子。

くまさんにそんなこと言われたら
怖いに決まっています。

でも不思議なことにうさぎさんは
すました顔。

こんなに怖い動物たちに囲まれたのに
うさぎさんは顔色一つ買えません。

それどころか
くまさんと虎さんを見て

うさぎさんは
思いっきり笑い始めたのです。