ねえ、起きてよ。目を覚まして。



まだやり残したこと、たくさんあるでしょう?



まだ始まったばかりだったでしょう?



やっと夢を掴んだのに、どうして死んでしまうの?



これからも二人で支えあって、歩んでいこうって約束したよね?



病気だって分かった時だって、治してみせるって宣言してたんじゃなかったの?



私だけ置いていくなんて心配だから、私が死ぬまで生きてるんじゃなかったの?



ねえ、どうして死んじゃうの?







ねえ――どうして私を一人ぼっちにさせるの?






一人ぼっちは嫌いだって。ずっと一人だったから。



住宅地の中にある小さな公園で、彼にはじめて逢ったとき私は言った。

二人ともブランコに乗っていて、私が右、彼が左だった。

日はすっかり暮れていて、満月が綺麗に出ていたのを覚えている。



二人が高校一年生の冬だった。


彼はそのときすでに、ギターを背負っていた。


同じ制服を着ているのに、お互いのことは全く知らなかった。

お互い学校では目立たない生徒だった。