お昼の時間、ユキは一人でお弁当を食べようとしていると、マリが側にきた。

 一緒に食べようと自分のお弁当を見せてウインクした。

 するとマリと仲のいい友達ふたりも加わった。

 それをクラス中が珍しい光景だと見ていた。

 ユキの心にポッと火が点って温かくなり、自然と笑みがこぼれた。

 そしてやはりこのときも側にトイラが現れ、そして振り向くとすーっと消えた。

 ユキは突然はっとした。


 そっか、トイラは前を向けっていってるんだ。

 そして一緒に私と前を歩こうとするんだ。

 過去に囚われずに、前に進めばトイラも側に居てくれるんだ。

 そうだよね。

 うじうじしてるときに出てきたら、私はずっと過去に囚われて一歩も歩めないもんね。

 トイラ、私頑張る。

 まだ辛さは正直癒えないけど、でも前に進むわ。

 そうよあなたはいつも私の側にいるんだから。

 この私の命と共に。