6
息を切らして、トイラのお気に入りの木に向かってユキが森の中を駆けている。
一刻も早くトイラに会わなければならない。
冷たい空気に晒された白い息が激しい。
いつものように木の下でトイラは腰を掛けくつろいでいた。血相を変えて走ってくるユキが視界に入り、ゆっくりと立ち上がった。
「どうした、ユキ、そんなに慌てて」
ユキは感情が先走ってトイラにしがみついた。
「私、もうすぐ日本に帰ることになったの。もうここには来れない」
その突然の知らせはトイラの頭の中を真っ白にした。
ユキがこんなにも早く自分の前から姿を消す。
トイラには到底落ち着いて考えられる状態じゃなかった。
「トイラ、私どうしよう。あなたから離れるなんて辛すぎる。私、絶対嫌だわ」
この時、トイラの頭にはもう森の守り主の太陽の玉のことしかなかった。
あれがあればユキはいつまでも自分の傍にいられる。
それしか方法が考えられなかっ た。
「ユキ、もしお前が望むなら、俺と一緒にずっとこの森で暮らさないか。ユキの住んでいる世界を捨てることができるか?」
ユキは躊躇わなかった。
自分の居場所はこの森の中、そしてトイラの傍。
それしか考えていなかった。
「うん。私トイラと一緒にずっといたい。同じ時を過ごしたい」
その答えを聞くや否や、トイラはユキの手を引いてジークを探し出した。
息を切らして、トイラのお気に入りの木に向かってユキが森の中を駆けている。
一刻も早くトイラに会わなければならない。
冷たい空気に晒された白い息が激しい。
いつものように木の下でトイラは腰を掛けくつろいでいた。血相を変えて走ってくるユキが視界に入り、ゆっくりと立ち上がった。
「どうした、ユキ、そんなに慌てて」
ユキは感情が先走ってトイラにしがみついた。
「私、もうすぐ日本に帰ることになったの。もうここには来れない」
その突然の知らせはトイラの頭の中を真っ白にした。
ユキがこんなにも早く自分の前から姿を消す。
トイラには到底落ち着いて考えられる状態じゃなかった。
「トイラ、私どうしよう。あなたから離れるなんて辛すぎる。私、絶対嫌だわ」
この時、トイラの頭にはもう森の守り主の太陽の玉のことしかなかった。
あれがあればユキはいつまでも自分の傍にいられる。
それしか方法が考えられなかっ た。
「ユキ、もしお前が望むなら、俺と一緒にずっとこの森で暮らさないか。ユキの住んでいる世界を捨てることができるか?」
ユキは躊躇わなかった。
自分の居場所はこの森の中、そしてトイラの傍。
それしか考えていなかった。
「うん。私トイラと一緒にずっといたい。同じ時を過ごしたい」
その答えを聞くや否や、トイラはユキの手を引いてジークを探し出した。