私がパイプ椅子に腰掛けると、背後の弘海先輩が立ち上がった。
ガタガタと何か整理する気配がしたかと思えば、ギイっと扉が開いて弘海先輩はゼミ室を出て行った。
「八城さん、お弁当それだけ?」
「えと……はい」
「少食なのね」
花純先生は弘海先輩の退室を気にすることなく、机の上に曲げわっぱの弁当箱を取り出した。
私のお弁当はおにぎり2つ。具は梅と昆布。
基本的に教室では食事をしたくないので、休み時間の間で済ませられるようなおにぎりとか、コンビニのパン。非常階段のところでも食べたりする。そして、図書館に退散する。
時々は本を読んだりするが、大抵の場合は置いてあるソファーに身を沈めて静かに時間が過ぎてゆくのを待つ。
何も考えなくていい、その時間が私にとっては唯一の息抜き時間だった。
いただきます、と花純先生が言ったのに倣って、私も一応手を合わせた。
花純先生のお弁当は、豚の生姜焼きがメインの手作り弁当だった。
ガタガタと何か整理する気配がしたかと思えば、ギイっと扉が開いて弘海先輩はゼミ室を出て行った。
「八城さん、お弁当それだけ?」
「えと……はい」
「少食なのね」
花純先生は弘海先輩の退室を気にすることなく、机の上に曲げわっぱの弁当箱を取り出した。
私のお弁当はおにぎり2つ。具は梅と昆布。
基本的に教室では食事をしたくないので、休み時間の間で済ませられるようなおにぎりとか、コンビニのパン。非常階段のところでも食べたりする。そして、図書館に退散する。
時々は本を読んだりするが、大抵の場合は置いてあるソファーに身を沈めて静かに時間が過ぎてゆくのを待つ。
何も考えなくていい、その時間が私にとっては唯一の息抜き時間だった。
いただきます、と花純先生が言ったのに倣って、私も一応手を合わせた。
花純先生のお弁当は、豚の生姜焼きがメインの手作り弁当だった。