「助けたいよ……! 私じゃ何もできないようなことでも、助けたいよ……! 何もできないならせめて、ずっと菓子先輩のそばにいたいよ……!」

 苦しくて苦しくて、絞り出すように叫んだそれはほとんど悲鳴だった。子供みたいな駄々をこねてるって分かってる。でも、何もしないで菓子先輩を失うなら、泣いても嫌われても可能性にしがみついていたほうがずっといい。

「こむぎちゃんはもう、決めたんだね」

「うん」

 もう迷わない。後戻りもしない。

「決めたことなら、私も全力で応援するし、力になるよ。何かあったら相談して欲しい。きっと柚木さんもそう思ってるよ」 

「みくりちゃん、ありがとう」

 瞳の上に張った涙の膜がこぼれ落ちそうだったけれど、ぐっと堪える。思えば泣いてばっかりの一年だった。そのたびに菓子先輩や友達に助けられて、今の私がある。

 だから今は泣かない。今度は私が菓子先輩を助けるって決めたから、そのときまで嬉し涙をとっておくんだ。

「でも、まず何をするか決まっているの?」

「うん。心当たりがあるの」

 菓子先輩の事情を知っていそうな人物。パズルのピースのひとつめの場所。

 次に私が向かう先は決まっていた。