アフタヌーンティーは大成功を収め、文化祭の閉会式では部活出展部門で賞をもらい、菓子先輩が檀上に上がった。
体育館のステージの上から私を見つけて手を振るものだから、恥ずかしくて知らんぷりをしてしまった。拗ねた顔をしていたけれど、私の顔だって赤くなっているんだから、文句を言われても知らない。
クラス出展の片付けも終わり、教室はいつもの姿を取り戻した。準備するのは大変だけど片付けるのは一瞬で、なんだか寂しい。心なしか学校内にも祭りの後のアンニュイさが漂っている気がする。
ゴミを捨てに外に出ると、気付かないうちに校庭の木々も色付き始め、風もすっかり秋のにおいになっていた。意識していてもいなくても、いろいろなものが変わってしまう。
終わらないで欲しいと思っていた文化祭が、終わってしまった。
「文化祭お疲れ様! かんぱ~い!」
陽も落ち始めた夕暮れ。私と菓子先輩、柿崎先生はpale‐greenに来ていた。柿崎先生のお言葉に甘えて打ち上げをするためである。ディナータイムにはちょっと早い時間。
浅木先生は奥のテーブル席を予約席にしてくれていて、すぐにオードブルとノンアルコールカクテルを出してくれた。ジンジャーエールにザクロのシロップが入った『シャーリーテンプル』は、生姜がぴりりと効いていて大人の味。
「御厨さんと柚木さん、来られなくて残念だったわね」
「まあ、仕方ないですよ」
みくりちゃんは文化祭を見に来てくれていた彼氏とデート、柚木さんもお母さんと食事に行くそうだ。
わざわざ文化祭を見に来てくれた身内を大事にするのは当然だから、別に二人をうらめしく思う気持ちはない。まあ、うちの親は昨日来てくれたけど何も言わずに帰ってしまったし、私は他校に彼氏も友達もいないけれど。
憮然としながらノンアルコールカクテルを飲み干していると、菓子先輩がほっぺたをつついてきた。
体育館のステージの上から私を見つけて手を振るものだから、恥ずかしくて知らんぷりをしてしまった。拗ねた顔をしていたけれど、私の顔だって赤くなっているんだから、文句を言われても知らない。
クラス出展の片付けも終わり、教室はいつもの姿を取り戻した。準備するのは大変だけど片付けるのは一瞬で、なんだか寂しい。心なしか学校内にも祭りの後のアンニュイさが漂っている気がする。
ゴミを捨てに外に出ると、気付かないうちに校庭の木々も色付き始め、風もすっかり秋のにおいになっていた。意識していてもいなくても、いろいろなものが変わってしまう。
終わらないで欲しいと思っていた文化祭が、終わってしまった。
「文化祭お疲れ様! かんぱ~い!」
陽も落ち始めた夕暮れ。私と菓子先輩、柿崎先生はpale‐greenに来ていた。柿崎先生のお言葉に甘えて打ち上げをするためである。ディナータイムにはちょっと早い時間。
浅木先生は奥のテーブル席を予約席にしてくれていて、すぐにオードブルとノンアルコールカクテルを出してくれた。ジンジャーエールにザクロのシロップが入った『シャーリーテンプル』は、生姜がぴりりと効いていて大人の味。
「御厨さんと柚木さん、来られなくて残念だったわね」
「まあ、仕方ないですよ」
みくりちゃんは文化祭を見に来てくれていた彼氏とデート、柚木さんもお母さんと食事に行くそうだ。
わざわざ文化祭を見に来てくれた身内を大事にするのは当然だから、別に二人をうらめしく思う気持ちはない。まあ、うちの親は昨日来てくれたけど何も言わずに帰ってしまったし、私は他校に彼氏も友達もいないけれど。
憮然としながらノンアルコールカクテルを飲み干していると、菓子先輩がほっぺたをつついてきた。