「いらっしゃいませ~!」
開店と同時に、整理券を配っておいたお客様がぞろぞろとなだれ込んで来た。最初のお客様は、生徒の保護者という感じの上品なご婦人たち。
「まあ、不思議の国のアリスがモチーフなのね、かわいいわ」
「ドアにも薔薇の花をつけてアーチ風にしてあるのね」
調理室の内装を見て喜んでくれている。毎日遅くまで頑張ったかいがあった。壁にもペーパーフラワーを貼って白薔薇と赤薔薇の木を作り、本物のトランプも至るところに貼りつけた。仕切りとして置いたホワイトボードには、トランプの兵隊の絵が描いてある。
「まあ、アリスそっくり。美人さんね~」
ご婦人たちはアリスに扮装した菓子先輩に釘付けだった。菓子先輩はにっこりスマイルを崩さず、「娘に見せたいから一緒に写真撮ってもらっていいかしら」というお願いも快く引き受けている。
「あなたは、うさぎさんね。よく似合ってるわ~、かわいいわね」
優しいご婦人たちは私たちのことも平等に褒めてくれた。お世辞だと分かっていても、かわいいと褒められると顔が熱くなってしまう。
「あ、あ、ありがとうございます」
「席はどこでもいいのかしら?」
「はい。テーブルクロスとナプキンが用意してあるので、お好きな席にお座りください」
テーブルクロスは、テーブル全体を覆う大きなものがいくつかあったのでそれを利用した。ナプキンは薔薇の形になるように折ってある。うまくできるまで難しかったけれど、お客様が喜んでいる姿を見たら苦労も吹っ飛んでしまった。
開店と同時に、整理券を配っておいたお客様がぞろぞろとなだれ込んで来た。最初のお客様は、生徒の保護者という感じの上品なご婦人たち。
「まあ、不思議の国のアリスがモチーフなのね、かわいいわ」
「ドアにも薔薇の花をつけてアーチ風にしてあるのね」
調理室の内装を見て喜んでくれている。毎日遅くまで頑張ったかいがあった。壁にもペーパーフラワーを貼って白薔薇と赤薔薇の木を作り、本物のトランプも至るところに貼りつけた。仕切りとして置いたホワイトボードには、トランプの兵隊の絵が描いてある。
「まあ、アリスそっくり。美人さんね~」
ご婦人たちはアリスに扮装した菓子先輩に釘付けだった。菓子先輩はにっこりスマイルを崩さず、「娘に見せたいから一緒に写真撮ってもらっていいかしら」というお願いも快く引き受けている。
「あなたは、うさぎさんね。よく似合ってるわ~、かわいいわね」
優しいご婦人たちは私たちのことも平等に褒めてくれた。お世辞だと分かっていても、かわいいと褒められると顔が熱くなってしまう。
「あ、あ、ありがとうございます」
「席はどこでもいいのかしら?」
「はい。テーブルクロスとナプキンが用意してあるので、お好きな席にお座りください」
テーブルクロスは、テーブル全体を覆う大きなものがいくつかあったのでそれを利用した。ナプキンは薔薇の形になるように折ってある。うまくできるまで難しかったけれど、お客様が喜んでいる姿を見たら苦労も吹っ飛んでしまった。