職員室までの道のりをてくてく、みくりちゃんと歩く。いろんな部活やクラスが文化祭に向けて準備を始めているから、放課後もいつもよりにぎやか。
「なんかこうざわざわしてると、文化祭前だ~って感じするよね」
お祭りとかイベントって、始まる前の準備が一番楽しいのってなんでだろう。遠足で前の日に眠れないのと同じ理論なのかな?
「うん。クラスの出展は簡単なものになっちゃったから、こむぎちゃんに誘ってもらって良かったよ。運動部は文化祭で何もしないし」
「みくりちゃん、前に料理部には私だけがいたほうがいいって言ってたから、すんなり入部してくれてびっくりした。あ、もちろん、嬉しかったんだけど」
「こむぎちゃん、私にそれを聞きたくて誘ったでしょう」
ぎくっと身体をこわばらせたけど、みくりちゃんはいたずらっぽい笑みを浮かべていた。
「ごめんね。怒ってない?」
「ぜんぜん。でも柚木さん、いきなり先輩と二人きりになったから、きっとあたふたしてるよ」
「悪いことしちゃったかな」
「大丈夫じゃないかなあ。どのみち慣れないといけないんだし」
一番聞きたいことが聞けないまま、職員室に着いてしまった。なんとなく入りづらい扉を「失礼します」と言いながら開ける。先生たちも忙しいらしく、近くにいた先生が私たちをちらりと一瞥しただけで終わった。
誰先生に用があるのか聞いてくれればいいのに。だから職員室は苦手なんだ。
「なんかこうざわざわしてると、文化祭前だ~って感じするよね」
お祭りとかイベントって、始まる前の準備が一番楽しいのってなんでだろう。遠足で前の日に眠れないのと同じ理論なのかな?
「うん。クラスの出展は簡単なものになっちゃったから、こむぎちゃんに誘ってもらって良かったよ。運動部は文化祭で何もしないし」
「みくりちゃん、前に料理部には私だけがいたほうがいいって言ってたから、すんなり入部してくれてびっくりした。あ、もちろん、嬉しかったんだけど」
「こむぎちゃん、私にそれを聞きたくて誘ったでしょう」
ぎくっと身体をこわばらせたけど、みくりちゃんはいたずらっぽい笑みを浮かべていた。
「ごめんね。怒ってない?」
「ぜんぜん。でも柚木さん、いきなり先輩と二人きりになったから、きっとあたふたしてるよ」
「悪いことしちゃったかな」
「大丈夫じゃないかなあ。どのみち慣れないといけないんだし」
一番聞きたいことが聞けないまま、職員室に着いてしまった。なんとなく入りづらい扉を「失礼します」と言いながら開ける。先生たちも忙しいらしく、近くにいた先生が私たちをちらりと一瞥しただけで終わった。
誰先生に用があるのか聞いてくれればいいのに。だから職員室は苦手なんだ。