「コスプレは私も抵抗あるし、テーマパークに売っているカチューシャみたいなのをつけて、キャラを演出するくらいでいいんじゃないかな。予算もないし」
説明すると柚木さんはあからさまにホッとした顔をして、「それならいいな」と言った。
「え~、どうせなら仮装したいわぁ」
そりゃあ菓子先輩ならフリフリのエプロンドレスでも着こなせてしまうのだろうけど。意地悪をして、そうなっても菓子先輩にはチェシャ猫の着ぐるみしか着せてあげなかったらどうするだろう。
……いや、それでも多分喜ぶな、菓子先輩なら。
「百瀬先輩、どうせならその分の予算をメニューとか内装に回したほうがいいですよ。スコーンをハートとかトランプのモチーフにしたり、ペーパーフラワーで赤と白の薔薇を作ったりしたらアリスっぽくないですか?」
「そうねえ、それがいいかもね。さすが御厨さんね」
あの菓子先輩をさらっと懐柔できてしまうなんて、みくりちゃんって実はとてもすごい人なのでは。
「じゃあ、出展希望の申込用紙を書いてしまうから、さっさと提出しちゃいましょう」
「あ、それなら私とみくりちゃんで提出してきます」
少し思うところがあってみくりちゃんと二人になりたかったので、菓子先輩に申し出る。
柚木さんが「え? 私は?」という顔をしていたが、こちらも「ごめん」とアイコンタクトで伝える。ちゃんと伝わっているかどうかは分からないけれど。
「そう? じゃあお願いね、顧問の先生に渡せば大丈夫だから」
説明すると柚木さんはあからさまにホッとした顔をして、「それならいいな」と言った。
「え~、どうせなら仮装したいわぁ」
そりゃあ菓子先輩ならフリフリのエプロンドレスでも着こなせてしまうのだろうけど。意地悪をして、そうなっても菓子先輩にはチェシャ猫の着ぐるみしか着せてあげなかったらどうするだろう。
……いや、それでも多分喜ぶな、菓子先輩なら。
「百瀬先輩、どうせならその分の予算をメニューとか内装に回したほうがいいですよ。スコーンをハートとかトランプのモチーフにしたり、ペーパーフラワーで赤と白の薔薇を作ったりしたらアリスっぽくないですか?」
「そうねえ、それがいいかもね。さすが御厨さんね」
あの菓子先輩をさらっと懐柔できてしまうなんて、みくりちゃんって実はとてもすごい人なのでは。
「じゃあ、出展希望の申込用紙を書いてしまうから、さっさと提出しちゃいましょう」
「あ、それなら私とみくりちゃんで提出してきます」
少し思うところがあってみくりちゃんと二人になりたかったので、菓子先輩に申し出る。
柚木さんが「え? 私は?」という顔をしていたが、こちらも「ごめん」とアイコンタクトで伝える。ちゃんと伝わっているかどうかは分からないけれど。
「そう? じゃあお願いね、顧問の先生に渡せば大丈夫だから」