「うん。あたし、高校は留年しない程度に適当に通おうと思ってたんだ。家から近いってだけで受験したけど、女子高ってわずらわしいと思ってたし。そしたら小鳥遊さんと同じクラスになって、最初はこの子も一人だな~と思って見てただけだったんだけど」
恥ずかしい。思わず顔を両手で覆いそうになったけど、菓子先輩がやさしい瞳で私を見ていたから、はっとして柚木さんに向き合った。
「一人でも一生懸命だったんだよね、小鳥遊さん。真剣に授業聞いて、クラスメイトに話しかけられたら必死に返事して。不器用だけど、この子はいつも目の前のことに対して一生懸命なんだなって思った。そしたらあたし、適当に休むとかできなくて、気付いたら毎日登校してた」
「そうだったんだ……。全然知らなかった。柚木さんが見ててくれたことも、気にかけていてくれたことも。気付かなくてごめんなさい」
「あたしこそ、昨日ちゃんと言わなくてごめん。こういうのって照れくさくて。いつも言葉足りないって言われるんだけど」
「そんなことない……ありがとう」
ずっと一人ぼっちだと思ってた。でも、知らないうちに誰かの人生に関わって、ちいさなきっかけが大きな繋がりになっていた。
ちゃんと見てくれている人がいること。それはやさしい眼差しかもしれないよってこと。私はそれをずっと忘れていたのかもしれない。
恥ずかしい。思わず顔を両手で覆いそうになったけど、菓子先輩がやさしい瞳で私を見ていたから、はっとして柚木さんに向き合った。
「一人でも一生懸命だったんだよね、小鳥遊さん。真剣に授業聞いて、クラスメイトに話しかけられたら必死に返事して。不器用だけど、この子はいつも目の前のことに対して一生懸命なんだなって思った。そしたらあたし、適当に休むとかできなくて、気付いたら毎日登校してた」
「そうだったんだ……。全然知らなかった。柚木さんが見ててくれたことも、気にかけていてくれたことも。気付かなくてごめんなさい」
「あたしこそ、昨日ちゃんと言わなくてごめん。こういうのって照れくさくて。いつも言葉足りないって言われるんだけど」
「そんなことない……ありがとう」
ずっと一人ぼっちだと思ってた。でも、知らないうちに誰かの人生に関わって、ちいさなきっかけが大きな繋がりになっていた。
ちゃんと見てくれている人がいること。それはやさしい眼差しかもしれないよってこと。私はそれをずっと忘れていたのかもしれない。