「ところで、この前のキーマカレーをどうやって改良したの?」
しばし泣いて落ち着いた私たちは、おばあちゃんの入れた緑茶を飲みながらデザートタイムに移行していた。大福を食べながら「甘い、おいしい」とはしゃいでいた菓子先輩が、無邪気に尋ねた。
「うっ」
「お父さんとおばあちゃんが、この前のものはもっとスパイシーだったって言ってたでしょ? こむぎちゃんはレシピ通りに作ったって言ってたし、どうやってお母さんの味にしたのかな~って」
「……菓子先輩って、かぼちゃが嫌いですよね」
「えっ」
菓子先輩の目が泳ぐ。
「最初に浅木先生に会ったときに、かぼちゃサラダサンドを避けていたし、文化祭で私がパンプキンパイを提案したときも、不自然に却下されたし」
「う、ううっ」
かぼちゃ、という名称を聞くたびに菓子先輩の顔がゆがむ。私がじっと見つめると、観念したように白状した。
「実はそうなの。小さいころかぼちゃから虫が出てくるところを見ちゃってから、食べられなくなって。味が分からなくなってからも、かぼちゃは見るのもいやだったから視界に入れないようにしてて……」
しばし泣いて落ち着いた私たちは、おばあちゃんの入れた緑茶を飲みながらデザートタイムに移行していた。大福を食べながら「甘い、おいしい」とはしゃいでいた菓子先輩が、無邪気に尋ねた。
「うっ」
「お父さんとおばあちゃんが、この前のものはもっとスパイシーだったって言ってたでしょ? こむぎちゃんはレシピ通りに作ったって言ってたし、どうやってお母さんの味にしたのかな~って」
「……菓子先輩って、かぼちゃが嫌いですよね」
「えっ」
菓子先輩の目が泳ぐ。
「最初に浅木先生に会ったときに、かぼちゃサラダサンドを避けていたし、文化祭で私がパンプキンパイを提案したときも、不自然に却下されたし」
「う、ううっ」
かぼちゃ、という名称を聞くたびに菓子先輩の顔がゆがむ。私がじっと見つめると、観念したように白状した。
「実はそうなの。小さいころかぼちゃから虫が出てくるところを見ちゃってから、食べられなくなって。味が分からなくなってからも、かぼちゃは見るのもいやだったから視界に入れないようにしてて……」