どうして菓子先輩がこんな目にあわないといけないの。どうして優しい人ばかりがつらい思いをしなくちゃいけないの。人生も、運命も、不公平だ。
私が世界を嘆いたって、どうにもならないのは分かっているけど。
「何度かカウンセリングにも行ったわ。お母さんが亡くなったストレスが原因なんだから、それがなくなれば自然と治るだろうって言われて……。でも、三年経った今でも、私は……。おかしいわね、もう思い出して泣くこともなくなったのに。私ってそんなにマザコンだったのかな」
「おかしくなんて、ないです。菓子先輩がマザコンなら、私だってマザコンです」
ふふっと、弱々しく菓子先輩が笑った。
こんなときだって、菓子先輩は私を気遣って笑ってくれる。
泣いてくれたらいいのに。私が菓子先輩の前で何回も泣いたみたいに、菓子先輩も我慢しないで思いっきり泣いてくれたらいいのに。
私じゃ菓子先輩の泣き場所にはなれないのかな。
「最後にお母さんが作ったキーマカレー、ちゃんと味わいたかったな……」
そうつぶやいたあと、菓子先輩の声は途切れ。いつの間にか私も、深い眠りに落ちていった――。
私が世界を嘆いたって、どうにもならないのは分かっているけど。
「何度かカウンセリングにも行ったわ。お母さんが亡くなったストレスが原因なんだから、それがなくなれば自然と治るだろうって言われて……。でも、三年経った今でも、私は……。おかしいわね、もう思い出して泣くこともなくなったのに。私ってそんなにマザコンだったのかな」
「おかしくなんて、ないです。菓子先輩がマザコンなら、私だってマザコンです」
ふふっと、弱々しく菓子先輩が笑った。
こんなときだって、菓子先輩は私を気遣って笑ってくれる。
泣いてくれたらいいのに。私が菓子先輩の前で何回も泣いたみたいに、菓子先輩も我慢しないで思いっきり泣いてくれたらいいのに。
私じゃ菓子先輩の泣き場所にはなれないのかな。
「最後にお母さんが作ったキーマカレー、ちゃんと味わいたかったな……」
そうつぶやいたあと、菓子先輩の声は途切れ。いつの間にか私も、深い眠りに落ちていった――。