「こむぎちゃんは僕よりもずっと菓子ちゃんの近くにいる。僕にはできなかったことが、こむぎちゃんにならできるかもしれない」
いつの間にか時間が経っていて、扉のむこうからは帰宅する人々のにぎやかな声が聴こえてきた。もう、帰らなければ。先生もお店を開けないといけない。
「浅木先生、本当にありがとうございました」
私が財布を出すと、先生は「サービスだから」と遮って扉まで見送ってくれた。
「何かあったらいつでも連絡して」
浅木先生は扉を支えながら、携帯電話の番号とメールアドレスが書かれたメモを渡してくれた。あんなに知りたかった浅木先生のアドレスなのに、これを使うようなことがなければいいのにって思ってしまう。
「浅木先生……」
「うん?」
浅木先生の話を聞いて、ひとつ確かめたいことができた。
「私、菓子先輩の家に行ってみようと思います」
いつの間にか時間が経っていて、扉のむこうからは帰宅する人々のにぎやかな声が聴こえてきた。もう、帰らなければ。先生もお店を開けないといけない。
「浅木先生、本当にありがとうございました」
私が財布を出すと、先生は「サービスだから」と遮って扉まで見送ってくれた。
「何かあったらいつでも連絡して」
浅木先生は扉を支えながら、携帯電話の番号とメールアドレスが書かれたメモを渡してくれた。あんなに知りたかった浅木先生のアドレスなのに、これを使うようなことがなければいいのにって思ってしまう。
「浅木先生……」
「うん?」
浅木先生の話を聞いて、ひとつ確かめたいことができた。
「私、菓子先輩の家に行ってみようと思います」