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無意識につぶっていた目を開けると、唯人たちの姿はなくなっていた。
勢いよく後ろを振り返った。
教室の中に誰もいない。
自分の身体を見ると、制服ではなく半袖のTシャツを着ていて、長い髪を無造作にひとつにまとめていた。
さっきまで感じなかった夏の暑さが一気に蘇ってくる。
私は慌てて教室に駆け戻った。しかし目の前の景色に変化はない。
すぐさま踵を返して教室の外に飛び出し、もう一回中に入ってみた。
何も、起こらなかった。
うそでしょ……
それから何度も同じことを繰り返してみたけど、結局、タイムリープは起こらなかった。
「なんでよ! みんなどこ? お願いだから戻ってきて!」
私はありったけの声で叫んだ。けれどその声は壁に当たってふたたび自分の耳に跳ね返ってくるだけだった。どこからも返事はない。
膝からすっと力が抜け、その場に崩れ落ちた。
涙が激しい嗚咽とともに溢れ、容赦なく頬を流れ落ちていく。切なさが波のように押し寄せてきて、じわじわと身体の隅々まで沁みこんでくる。