「昼休みが終わったら……だって? ちょっと待って。全然話についていけない。俺たちさっき、明日の修学旅行楽しみだねって話してたよね?」
「楽しみにしてたのは本当だよ。だけどね、行けないの。明日はもう、ないの」
「意味がわからないよ。なんでそんな突然……」
「そうだよ。突然すぎるんだよ」
つい怒ったような口調になってしまった。目の縁がカッと熱くなる。
だって……
だって……
明日も明後日もその先も、ずっと一緒にいられると思ってたのに。
みんなは突然……本当に突然、いなくなってしまった。
二度と会えない場所へ、私をひとり置いて行ってしまった。
智ちゃんはこれまで見せたことがないくらい憔悴した顔で、私の腕を掴んだ。
「凛々子ちゃん、引っ越すの?」
「うん。ちょっと複雑な事情があって、さっき急に決まっちゃったんだ」
「そんな……。引っ越すってどこに?」
「すごく遠く」
「すごく遠く……? まさか海外?」