自分の身体に視線を走らせると、セーラー服を着ていた。美容院に行くのが面倒で、腰まで伸ばしっぱなしにしていた髪が、肩のところで綺麗に切り揃えられている。


まさか——


顔を上げ、ゆっくりと首を回して正面黒板の横の時間割表を見た。そこに書かれている日付に、はっと息を呑む。




【10月16日 月曜日】




「ねぇ、今日ってもしかして……」


私は唇の隙間から言葉を押し出した。


「20XX年の10月16日?」

「あたりまえじゃん。本当にどうしたの?」

「……っ」


みんなが生き返ったんじゃなくて、時間が巻き戻ってる。


十二年前の、10月16日に。


修学旅行は10月25日だった。




つまり“今日”は、

あの事故が起こる九日前……




心臓の鼓動が一気に高まった。走ったわけでもないのに、呼吸が荒くなる。