「渚ちゃん、ありがとう」
「拓哉くん、ありがとう」
「みのりちゃん、ありがとう」
私はもらったプレゼントを胸に押し当てながら、ひとりひとりにお礼を言っていった。
どこにでも売っているような文房具や小物でも、私にとっては世界にたったひとつしかない、かけがえのないもの。生前のみんなの思いが、このひとつひとつに込もっている。
「みんな、ありがとう。本当に……本当に……ありがとう」
「お礼を言わなきゃいけないのは、むしろ私たちの方だよ」
智ちゃんが一歩前に踏み出して言った。
「こちらこそ、いつも美味しいお菓子をありがとう」
「リリ、いつもありがとな」
「ありがとね」
「ありがとう」
教室の中は、ありがとうの声でいっぱいになった。心に温かいものが広がり、視界がさらに潤んだ。