「ふふっ、本当だね」
「リリが生まれてきてくれて本当によかった。出会えてよかった。俺の彼女でいてくれてありがとう」
「ちょっ、急にどうしたの。そんな改まっちゃって」
「わかんない。ただどうしても言葉にして伝えたくて」
唯人は私の右手を取り、両手で固く握った。
「好き。毎日惚れ直しちゃうくらい大好き。これからもリリとずっと……ずーっと一緒にいたい。そんな世界で一番大好きなリリに、いつか本物の結婚指輪をプレゼントできたらいいな」
「唯人……」
私は唯人の手に自分の左手を重ね、何度も何度もうなずいた。
「私も唯人のことが大好き。世界で一番好き。これからもずっと……ずーっと一緒にいたい」
私と唯人はおでこをくっつけ合わせ、無邪気に笑い合った。
開け放った窓から風が吹き込んだ。真っ白なカーテンが風を孕んで大きく膨らみ、ふたりを柔らかく包み込んだ。