「うわぁ、可愛い!」

「それ、ペアリングなんだ」

「ペアリング?」

「そうだよ」


唯人は制服のポケットからもうひとつ指輪を取り出し、私の指輪とくっつけた。


「こうやって合わせると、白鳥がキスしてる絵になるんだ」

「本当だ、素敵! すっごく嬉しい。ありがとう。一生大事にする!」

「あははっ、一生だなんて大げさな。でもそんなに喜んでもらえたなら、やっぱりプレゼントはこれにしてよかった。その指輪、凛々子の指につけてもいい?」

「うん」

「じゃあ右手、出して」


右手を差し出すと、唯人は薬指に指輪をはめてくれた。


「唯人、すごーい。指輪のサイズ、ぴったりだよ」

「ははっ、だてに一年以上凛々子の彼氏やってないからね」

「私も唯人の指につけたい。いい?」

「あぁ、もちろん」


私も唯人の差し出した薬指に、すっと指輪を通した。


なんだかこれって……


「結婚式みたいだな」


唯人がはにかんだように笑った。