この先にみんながいる。
自分たちが二日後に死んでしまうとは夢にも思わず、無邪気に笑い合っているみんながいる。
泣きそうになって、慌てて天井を見上げた。
相手が死ぬとわかっていながら会いに行くのは、このうえなくつらいことだった。
それでも、
みんなに会いたい。
私は深呼吸し、笑顔を作って教室の中に足を踏み込んだ。
キーンコーンカーンコーン……
チャイムが鳴り始めた。黒板の上の壁時計が、太陽のように輝き出す。
私は無意識的に、信広さんの背中に向かって手を伸ばした。信広さんはゆっくりとこちらを振り返った。
その瞬間、
目の前が真っ白になり、激しいめまいに襲われた。
「——おめでとう!」
弾けるような拍手の音が響き渡った。
目を開けると、そこには3年1組のみんながいた。全員なぜか私に注目していて、パチパチと手を叩いている。