私は大きく息を吸い込み、十二年ぶりに3年1組の教室に足を踏み込んだ。


そのとき、




キーンコーンカーンコーン……




チャイムが鳴り始めた。


もう使われていない校舎なのに、なんでチャイムが……?


違和感を覚えたのと、教室内がすさまじい光に覆われたのは、ほとんど同時だった。


「うっ……」


あまりのまぶしさに、目をつぶって顔を背ける。


チャイムの音が遠のき、ふわっと足が宙に浮くような感覚がした。次の瞬間、身体がものすごい力で引っ張られた。